小さな花旅365 ムベ fum 85
実を初めて見たのは、新橋の小さなスナックでした。
郁子という名前のママが、店の看板だから…と、この時期になるといつもムベの実を飾ると話してくれました。
その時は意味が分からず、美味しそうな実を見ているだけでしたが。
ムベは漢字で書くと郁子というのを知ったのはずっと後のことで、そのころにはスナックはもうなくなっていました。
ちなみに、この実は古くから日本にあって、天智天皇がムベを初めて口にしたときに、その甘さに「むべなるかな」(本当に甘い)と感想をもらしたことから、名前が付いたとか。
アケビに似ていますが、アケビは熟すると実が弾けますが、ムベはそのままの状態で、濃い紫色になったら食べごろ。
じゅくとしていて、甘く、実際口にしてみると、わたくしにはちょっぴり苦手な味でした。